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家作り、時々、子育て

初めての家作りや初めての子育て。誰も教えてくれないけど大切なこと。人と比べず情報に翻弄されず。経験をシェアすることで誰かの役に立つかもしれない。

フランス人に学ぶこと③古い物こそ価値がある文化

日本は最先端のハイテクノロジーを追いかけ、大量生産・大量消費の国となってしまった。それはもちろん、私たちに便利で華やかな生活を与えてくれたと思う。でも裏を返せば、どんなに新しい物を買っても満足できる事はなく、永遠の負のループに陥ってしまっているようにも見える。物を買うために人々は更に働き、不必要な物ばかりに囲まれた生活は果たして本当に幸せと呼べるのだろうか。

 

フランスで生活してみると、新しい物がいいといった考えや便利が1番と思っていた考えが簡単に覆される。人々は古い物を大切に使い、例え不便と感じることでさえ彼らにとっては大したことではない。

 

それは例えばもそうだ。私も含めて日本では、新築が当たり前となっている昨今。結婚して子供ができて、そして夢のマイホームを建てる。そんなストーリーが無意識のうちに私たちの頭の中には描かれていて、どんなに借金をしてまでも新築を建てるのが当たり前となっている。でもフランスで新築はめずらしい。古い家を買って自分たちでリフォームするのが当たり前だから。マリ君のお兄ちゃん夫婦の家もマリ君のパパとママの家もそうだった。だからこそIKEAの様な施主支給のお店が数多くあるし、誰もが自分でやっているからハウスメーカーに行こうなんて最初から思わない。築100年なんてざらにあるし、古い家だからこそ価値がある。何百年も受け継がれていく家だからこそ、プラスチックや偽物の素材で作った使い捨ての家なんて絶対に建てたりせず、石造りやレンガ・コンクリートで作られた頑丈で暖かい家が建てられている。新しい物や無駄な物にお金をかけないけど、本当に必要な物には遠慮なくお金をかける。だってそれは使い捨てではないから。

 

そして最近では本もいくつか出ているけど、「フランス人は洋服をあまり持たない」。これは本当だと思う。古い物に価値があると言うよりは、流行に踊らされず、大量生産された格安の洋服を買うよりは、上質である程度高くても、自分が本当に気に入った服だけを身にまとう。流行に惑わされなければ毎年服を買い換える必要もないし、好きでもない服を着る必要もない。流行を意識すれば、好きじゃない色や形の服を無理してきる事もあるだろうし、寒いのに暖かくない服を着たりしなきゃいけない。レパートリーも増やしたいから安い服を何着も買ったりもする。これ自体が、もう完全に大量生産・大量消費の罠にはまっている。私も過去そうだったように。大量にたまった不必要な服に囲まれていると、自分が本当はどんな服を着たいのか分からなくなってくるものだ。でも本当に気に入った服だけ持っていれば、どれを着てもいつもの自分でいられるし、不思議と落ち着く。去年流行っていたセールで買った安い服を今年着る気にはならないかもしれないけど、何十年も前に買った洋服でも、暖かくて着心地が良くてお気に入りのセーターなら、何の躊躇いもなく着るだろう。

 

日本ではとても便利な「100均」でさえ、本当は必要のないもの。だって、100円だもん。壊れたってまた買えばいいか、と思うでしょ。だって100円だもん。粗末に扱っても、必要のない物を買ってゴミになっちゃっても、まぁいいか、って思うでしょ。でも本当はそんな風に思う物を私たちは買うべきではない。例えば同じハサミでも、100円なら壊れたらまた買えばいい。でも本物のシルバーのハサミなら、壊れないように大切に使って、無くさないようにちゃんとしまって、錆びないようにお手入れだってするかもしれない。そうしているうちに、ただのハサミだって愛着が沸いてきて、長く長く使いたくなる。長く大切に使ったそのハサミを娘が受け継ぐかもしれないし、誰か他の人が大切に使ってくれるかもしれない。長く使える物にお金を掛けることは決して無駄ではないという事。安くてすぐ壊れてしまう物を買うという事は、限りある資源を無駄にして、ただのゴミを増やしているという事。

 

残念ながら、大量生産・大量消費の罠にはまっている日本で、この事実に気づいている人は数少ない。だって私も、もしマリ君と結婚してなかったら、もしフランスで生活する事がなかったら、気づいていなかったかもしれない。これは国家ぐるみで仕立て上げた最悪な策略。私たちはそれに気づかずに大切な時間を労働に費やし、その労働で得た貴重なお金を必要のない無駄なものに使わされている。もしこの負のループから抜け出せたなら、本当の満足感を感じられるような気がするのは、私だけだろうか。

 

 

 

~フランス人に学ぶことシリーズ~

フランス人に学ぶこと①他人とぶつかる事を恐れない
フランス人に学ぶこと②”今”を生きる
フランス人に学ぶこと③古い物こそ価値がある文化
フランス人に学ぶこと④便利な生活と引き換えに払った大きな代償